「トヨタ車の国内生産台数の10%・年間60万台を生産する」との期待を担って誕生した岩手工場であったが、折からのバブル崩壊により「造れば売れる時代」は終わり、当時の従業員約650名のうち、約300名を横須賀工場または東富士工場へ工場間の応援として派遣せざるを得なかった。しかし、1995年に岩手工場で開発したカローラ系の『スパシオ』のヒットにより、従業員達は岩手へ戻ることができた。
現在、関東自動車工業株式会社では、岩手(岩手工場)と静岡(東富士工場)の2工場で生産しており、2004年度の生産台数見込みは35万9千台。うち岩手工場では、「ウインダム」「アルテッツァ」「アルテッツァジータ」「マークX」の4車種を生産している(同年度生産台数見込み/14万1千台)。また、海外向けの「レクサス」ブランドも製造・輸出しており、常に品質はトップクラスにランクされ、アメリカでも高い評価を得ている。さらに、2005年10月を目途に、現在より10万台多い年間25万台体制へとラインを増強し、新たに500人を採用する計画だ。
生産体制の強化とともに岩手工場では、「地元企業が自動車部品関連分野へ進出する可能性を探る」ことをテーマに、岩手県および岩手大学を加えた産学官連携にも参画。「当工場の技術と岩手大学の技術がマッチングすれば、新たな企業体を創出するのも可能です」。今後の技術開発を図る上でも、産学官連携は欠かすことの出来ない要素だ。
「企業は地域と共に、持続的な発展と成長を遂げなければならない」。青山主査は、近隣の自治体とともに企業誘致の説明会などに同行する。「私なりに岩手の良さを外部へ発信してきました。企業誘致やUターン者の受入れは、地域の活性化、雇用促進へとつながります。岩手への進出当時、近隣市町村から幼稚園、学校、病院、銀行など生活に必要なデータをお借りして、転勤家族者を対象にオリジナルな情報誌を作成しました。自治体の方々にも、周辺環境の見学に訪れた家族に対し、誠意のこもった対応をいただきました。その甲斐あって、横須賀工場から約400名を受入れることが出来ました。また、地域との関係では、工場見学の受入れや、数多くの車両や福祉車両など、一堂に展示する「オールトヨタグループフェスティバル」の開催、地元の社会福祉協議会などのご協力を得たイベントを通して、コミュニケーションを深めています」。
関東自動車岩手工場と金ヶ崎町、そして近隣市町を含めた岩手県との関係は良好に機能している。企業と自治体の縁組みは、情報交換や人的交流を密にし「双方がともに発展していく」という共生の思いがあってこそ成立する。まさに両者は、相思相愛のもとで年輪を刻んでいるのだ。
世界最高の品質を誇るレクサスブランド。


