MYTEZZA Purchase Episode |
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中古車屋の担当Kさんはいい人だった。私は青テッツァについての説明を受けた。Kさんは青テッツァが入庫した経緯を話してくれた。この店は入庫までの詳細な経緯を把握しておりそれもウリらしい。行方不明期間中の青テッツァの履歴は予想の範囲内の動きであった。ワンオーナー車輌として福岡市近郊のトヨタのディーラーで下取りされてココに流れて来たのだという。 Kさんに私と青テッツァの因縁を語ろうかと思ったが止めた。そもそもKさんには何の関係も無い話であるし、私には縁深い車輌でも彼にしてみれば日々売り飛ばす中古車の一台でしかないのだ。夕刻のセールストークの真意についても聞き出そうかと思ったがこれも止めた。私はこの車を買ってしまえば、数年は車の購入話から遠ざかるが、Kさんは明日も明後日も明々後日も何色かの車をどこかの誰かに売らなければならないのだ。 デミオの査定を終えて示された乗り出し価格は195万円であった。下取りを含まぬこの価格は想定していた通りの額だった。私は往路の中で一人、練りに練った唯一の策をぶつけた。「現金で払うのは180万円。それ以上は払わない。今日はそのつもりで来ました」すなわちデミオを15万円で下取りしてくれというものだ。気風の聞こえはいいものの、渋い商談だと思われた。 Kさんはしばし唸って上司に相談させて下さい、と席を外した。7年落ちのデミオは致命的なダメージはないものの、外装は角が丸く削られ、前後左右には補修すらされていない凹みが多数あった。又、内装はやんちゃな子供の存在を示すな擦傷、汚れがそこかしこにあった。購入元のマツダのディーラーでさえ新車購入の下取りに示した額は温情価格の5万円であった。Kさんは戸外で腰を折って携帯の先の上司に状況を説明しているようだった。この時期には珍しく汗をふきつつ戻ってきたKさんはベテランらしく一撃で商談を決めた。 「今夜サインしてもらえるならそれでOKです」 「OKです。こちらこそよろしくお願いします」 成約書といくつかの書類にサインし終えると22時であった。そのままICから乗って帰っても良かったが、気が高揚しドライブしたい気持ちだったのでネオンきらびやかな国道3号線を大宰府まで南下して帰宅した。 |
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